
ドイツ旅行の楽しみといえば……?
そう、ビールですね!
大きなビールジョッキを掲げてプロースト(乾杯)!
……なんてシーンを思い浮かべる人も多いはずです。
ミュンヘンの黄金色のヘレス、ケルンのケルシュ、デュッセルドルフのアルトビール、バンベルクの燻製香るラオホビアなどなど、有名な銘柄がたくさんあります。
しかしその面白さは銘柄の多さだけではありません。
街が変われば注文の仕方も過ごし方も変わり、その一杯から土地の暮らしが見えてきます。
ドイツビールの魅力を紐解いて行きましょう!
もくじ
ドイツビールの伝統を守る「ビール純粋令」

ドイツビールといえば『ビール純粋令』。
1516年に当時のバイエルン公ヴィルヘルム4世によって定められた、ビールの原料を大麦・ホップ・水のみにする規定です。
現在は大麦・ホップ・水に、酵母を加えた4種類が基本原料として知られています。
ドイツ全土には1,400か所の醸造所があり、同じ4つの原料でも麦芽の焙煎や発酵方法、
地域の伝統で味はまるで違います。
旅先では有名な銘柄よりも『街で人気の定番ビール』を選んでみてください。
迷ったらウェイターさんに「Was empfehlen Sie?」(ヴァス エンプフェーレン ジィ?:おすすめはなんですか?)と聞いてみるのもいいですよ!
違いを楽しもう!ドイツ各地のビール

ミュンヘン 〜ビアガーデンで楽しむヘレスとヴァイスビア〜
南ドイツ・バイエルン州の州都ミュンヘンは、ドイツを代表するビールの街です。
まず試したいのが黄金色で苦味穏やかな「ヘレス」。
食事と合わせるなら、酵母由来のフルーティな香りが立つ「ヴァイスビア」がおすすめです。
軽く一杯ならヘレス、食事とじっくりならヴァイスビア、と覚えておくと注文に迷いません。
気をつけたいのがその量です。
「マス」と呼ばれるジョッキは約1リットルあり、日本の中ジョッキ(約500ml)のつもりで頼むと、その大きさに驚くかもしれません。
チャレンジしてみたいなら、「A Maß,bitte!」(ア マース ビッテ!:マースサイズをください!)と声をかけてみましょう!
ケルン 〜小さなグラスで味わうケルシュ〜
西ドイツのケルンで親しまれているのが「ケルシュ」です。
澄んだ淡い黄金色で、華やかでフルーティな香りとスッキリした喉越しが特徴の軽快な飲み口のビールです。
「シュタンゲ」と呼ばれる専用の円柱形で細長い小型ビアグラス(約200ml)で出てくるため、いつも新鮮な状態で飲めます。
伝統的な酒場では、グラスが空くと頼んでもいないのに次が運ばれてくるのが習わしです。
わんこそばみたいですね。
もう十分!なら、グラスの上にコースターを置きましょう。
これが「もう結構です」の合図で、知らずにいると杯数はどんどん積み上がっていきますよ!

デュッセルドルフ 〜旧市街を巡って飲むアルトビール〜
ケルンから鉄道ですぐのデュッセルドルフでは「アルトビール」が名物。
alt(アルト)はドイツ語で「古い」という意味。その名は、下面発酵のラガービールが広まる以前から続く、伝統的な上面発酵の醸造法に由来します。
デュッセルドルフ旧市街には約260軒のパブが集まることから、「世界一長いバーカウンター」と呼ばれるほど。
ここでもケルンと同様、コースターを置くまで次々とビールが運ばれてくる店があり、気を抜くと、
とんでもない量を飲むことに。
実はケルシュとアルトビールは、西ドイツの都市を代表するビールとしてライバル関係にあるそう。
地元の人に「Kölsch oder Alt, wat magste lieber?(ケルシュ オーダー アルト、ヴァット マクステ リーバー?:ケルシュとアルト、どっちが好き?)」と訪ねてみてください。
きっと大論争に巻き込まれること間違いなしです!
バンベルク 〜燻製の香りが広がるラオホビア〜
個性的な一杯を探すなら、バイエルン州北部のバンベルクまで足を延ばしてみましょう。
代表は燻製麦芽を使う「ラオホビア」。
ラオホ(Rauch)は煙を意味します。
たき火を思わせる強い香りに初めは戸惑うかもしれませんが、
肉料理やソーセージと合わせると香ばしさが重なります。
もう一杯チャレンジしたいときは、こんなふうに頼んでみるのはいかがでしょうか?
- ●「Etwas Mildes, bitte.」(ア ミルツ、ビッテ:マイルドなのをお願い)
- ●「Etwas Rauchigeres, bitte.」(ア ラオヒガース、ビッテ:スモーキーなのをお願い)
現地で役立つビールの注文方法

簡単なドイツ語を知っておくと注文がぐっと楽になります。
まずは基本の「Ein Bier, bitte.」(アインビア、ビッテ:ビールを一杯ください)
ですが、地域やお店によって「一杯」のサイズは様々。
メニューなどに書いてないときは「Wie groß?」(ヴィー グロース?:どのくらいの大きさ?)と聞いてみましょう。
他にも、こんなフレーズがありますよ!
- ●「Ein Helles, bitte.」(アイン ヘレス、ビッテ:ヘレスを一杯ください)
- ●「Ein Alkoholfreies, bitte」(アイン アルコホールフライエス、ビッテ:ノンアルをお願いします)
- ●「Noch eins, bitte.」(ノッホ アインス、ビッテ:もう一杯お願いします)
- ●「Die Rechnung, bitte.」(ディー レヒヌング、ビッテ:会計お願いします)
世界最大級のビール祭り、オクトーバーフェスト
舞台はミュンヘン・テレージエンヴィーゼ!
初日は開場の合図とともに、民族衣装に身を包んだ若者たちが良い席を確保しようと我先にとテントに駆け込みます。
正午になるとミュンヘン市長の「O’zapft is!(オツァプフト・イス!:樽が開いたぞ!)」の掛け声で開幕を宣言。
通称Wiesn(ヴィースン)と呼ばれる約2週間のビールの祭典がスタートします。
醸造所ごとに大型のテントがいくつも立ち並び、お気に入りのビールと音楽で仲間たちと盛り上がります。
入場は基本無料ですが、週末や夕方は混み合って予約なしでは席が確保できないことも。
フェストビアはアルコール度数が6%前後とやや高めで、何杯飲んだかはあっという間に分からなくなるそう。
しばらく経てば、数時間でBierleiche(ビアライヒェ:ビールの死体)が現れますよ!
※Bierleichen…飲みすぎて潰れて寝転がっている人

本場の一杯を最後まで楽しい思い出にするために……
ビールを味わいながら知らない街を歩く時間は、ドイツ旅行ならではの楽しみです。
ただし、「空腹のまま飲まない」「水も一緒に飲む」「帰りの交通手段は先に調べておく」。
この三つの酒飲みのたしなみは特に外せません。
石畳や階段が多い旧市街では、酔ったあとの転倒にも注意が必要です。
どんなに気をつけていても、体調不良やけが、持ち物の盗難など、避けきれないトラブルは起こります。
出発前に海外旅行保険の傷害・疾病治療費用や携行品損害の補償内容を確認しましょう。補償の可否は飲酒の程度や事故の状況、加入した商品によって変わるため、約款や重要事項説明書にも目を通しておくと安心です。
街ごとに違う一杯を、土地の料理や景色とともに味わう。飲み方と備えを整えて、ドイツならではのビール文化を楽しんでください。