いよいよ直前に迫ったクリスマス!
クリスマスのごちそうといえば、チキンの丸焼きに、ケーキに、シャンパンに……
いやいや、本場は七面鳥の丸焼きだよ!
最近は七面鳥を丸ごと揚げるらしいよ?!
日本ではなかなかお目にかかれない謎の鳥、七面鳥について調べてみましょう!
なぜクリスマスに七面鳥?
ときは17世紀、イギリスからの移民がアメリカに移住したばかりの頃です。
はじめのころ、入植者たちはイギリスから持ってきた農作物がうまく育たず、
初めての冬を越せないほどの飢えに苦しんでいました。
アメリカにもともと住んでいたインディアンたちがそれを見かね、
当時豊富に生息していた野生の七面鳥をはじめとした食べ物を分け与えました。
飢えを乗り越えた入植者たちは翌年、インディアンたちへの感謝を込めて、
収穫をお祝いするため感謝祭を行いました。
感謝祭の象徴として七面鳥が「お祝いの日のごちそう」として定着し、そのは習慣はアメリカからイギリスをはじめとしたヨーロッパに伝わり今や世界中に広がっています。
このアメリカの文化が日本にやってきたのは明治のころ。
手に入りにくい七面鳥の代わりに鶏肉が食べられるようになり、今日の「クリスマスにはチキン」という文化になりました。
どんな七面鳥料理が人気?
七面鳥はニワトリと比べると独特の風味があり、脂分が少なくさっぱりしています。
伝統的な七面鳥の丸焼き「ローストターキー」の他、
丸ごと揚げる「フライドターキー」も人気です。
ローストターキーは肉に塩やスパイスをすり込み、セロリ、玉ねぎ、食パンなどを混ぜた合わせた詰め物を七面鳥の中に詰めてオーブンでじっくり焼き上げます。
アメリカではクリスマスやサンクスギビング(感謝祭)に欠かせないごちそうです。
ロースト加減ではパサつきがちになってしまうそうで、近年人気なのがフライドターキー。
寸胴鍋のような大きなフライヤーで1羽を丸ごと揚げてしまう豪快な料理です。
もともと脂質が少ないため、油っこくならず、ふっくらジューシーに仕上がるのだとか。
実はこのローストターキー、毎年世間をお騒がせする曲者です。
風物詩!?七面鳥大爆発
七面鳥の多くは冷凍状態で売られています。
調理前はしっかりと解凍してから調理するのが正しい手順ですが、
まるまる1羽を解凍するにはかなりの時間がかかります。
せっかちな人が凍ったまま高温の油に入れてしまい、大規模な火災となってしまう事故が毎年起きています。
凍った状態の食品を高温の油に入れると氷が一気に気化して水蒸気爆発を起こし、
周辺に高温の油が飛び散り、一気に広範囲を燃やしてしまいます。
アメリカの消防署はサンクスギビングやクリスマスシーズンが近づく年末になると注意喚起をしていますが、同じような事故はあとを絶ちません。
日本の正月のお餅のように、危険でもかけがえのない伝統料理なのです。
七面鳥はどんなトリ?
北アメリカ大陸原産のキジの仲間で、カナダ南部~アメリカ合衆国~メキシコのを中心に分布しています。
果物やナッツ、虫、カエルなども食べる雑食性で、
種類によっては全長120cmほど、体重は9kgほどまで成長します。
頭から首にかけて部分が羽毛に覆われておらず、ニワトリのトサカのような皮膚が丸見え。
興奮するとその皮膚が赤や青、紫など、色がころころと変化することから
7つの顔(面)を持つ鳥「七面鳥」という名前がつけられました。
ちなみに性格はかなり攻撃的なようです。
英語の名前の由来
七面鳥は英語で「ターキー」といいますが、これは「トルコの」という意味。
16世紀頃のイギリスでは、当時巨大な帝国だったオスマントルコを経由して
ホロホロ鳥というこれまた大型の鳥が輸入されていました。
トルコを経由して入ってきたものは全て「トルコの〇〇」と名付けられていたため、
ホロホロ鳥と混同され、「ターキー」という呼び名が定着してしまいました。
ちなみにトルコでは「hindi(ヒンディ:インドの鳥)」と呼ばれています。
インドでは「पीरू(ペルー:ペルーの鳥)」と呼ばれ、ペルーのケチュア語では「turkia(トルコの鳥)」と呼ばれているのだとか。
他にも「オランダの鳥」「ギリシャの鳥」「フランスの鳥」など、
「よその国からやってきた鳥」として呼ばれているようです。
どこの国も「アメリカの鳥」と呼んでいないのが少し不思議ですね。
謎の鳥を食べに行こう
最近は日本でも飼育されていたり、冷凍ものが輸入されている七面鳥。
それでもなかなか食卓にのぼる機会が少ないのが現状です。
思い切ってアメリカやカナダ、イギリスなどの”本場”の”丸ごと”を味わってみるのもいいかもしれませんね
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