いよいよクリスマスシーズン本番!
街中にはたくさんのサンタクロースたちが溢れています!
サンタクロースといえば赤い鼻のトナカイが引く空飛ぶそりに乗り、
赤と白の衣装を着た、たっぷりのヒゲを貯えたふくよかなおじいさん。
というイメージですが、他の国ではちょっと違うようです。
一体どんな姿なのでしょうか?
世界のサンタクロースを見てみましょう!
サンタクロースとは?
サンタクロースのモデルは、4世紀頃に実在した
カトリック協会の司教「聖(セント)ニコラウス」と言われています。
赤い司祭服を着てキリスト教の教えを説きながら、
貧しい人や弱い人を助け施しをするような厳しくも心優しい人物でした。
ある貧しい家の娘のために煙突から投げ入れた金貨が暖炉のそばに飾られていた靴下の中に入ったという伝説が、次第にサンタクロースの物語になっていきました。
オランダ語の発音で「シンタ・クラース」と呼ばれていた名前が
移民たちによってアメリカに渡り、最終的に「サンタクロース」として広まり、その後日本にへとやってきました。
今のサンタの赤い服に白いヒゲの姿は、
アメリカの清涼飲料会社が100年ほど前に行った広告宣伝イメージが定着したもの。
実はそれまではそれぞれの国には、別のサンタクロースにあたる人物がいたんですよ。
フィンランド ヨウルプッキ
サンタの本場と言われるフィンランドでは、サンタは「ヨウルプッキ」と呼ばれています。
直訳すると「ユール(冬至祭)のヤギ」。
もともとは冬至の時期にヤギを連れた老人が各家庭を訪問して物乞いをする
という伝説があったのですが、時代を経るごとに二人組のヤギのお面をつけた老人になりました。
片方は悪い子を懲らしめ、もう片方はいい子に贈り物を与える、なまはげのような存在。
それがアメリカのサンタクロースの姿に近づいていき、
現代のヨウルプッキと呼ばれるサンタクロースになりました。
トナカイを引くソリには乗っておらず、「良い子は居るかな?」と玄関をノックしてやってくるそうです。
サンタのお手伝いをするトントゥという妖精がいるのもフィンランドならでは。
ドイツ 聖ニコラウス
聖職者としての聖ニコラウスがそのままクリスマスのキャラクターとなっているドイツ。
十字架があしらわれた帽子と、聖書、聖杖を携えています。
ドイツでは12月6日からクリスマスが始まります。
この前日の夜に自分の靴を玄関の外に置いておくと、こっそり聖ニコラウスがやってきてお菓子を入れてくれるそうです。
ところが、聖ニコラウスとともに「黒いサンタクロース」と呼ばれるクネヒト・ループレヒトがやってきます。
悪い子を懲らしめるために靴の中に石炭の塊や小枝などを入れてしまいます。
お菓子が入っているか、石炭がはいっているか、朝を迎える子どもたちはドキドキです。
ロシアとその周辺国 ジェド・マロース
ジェド・マロースはスラヴの雪にまつわる神様が元になったキャラクター。
ジェドは「おじいさん」、マロースは「寒波」の意味で、直訳すると寒波じいさん。
まさに冬将軍です。
雪娘である孫のスネグーラチカを伴って、12月31日にもみの木を飾っている家庭に贈り物を持って現れます。
旧ソビエト時代に広まったことから、ロシアだけでなく、旧ソ連の構成国だった国々にも愛されているジェド・マロース。
魔法の杖を持って青いローブに身を包んだ長いひげの老人の姿ですが、アメリカンサンタクロースの影響で最近は赤いローブも着るようになったようです。
ノルウェー、デンマークなど ユーレニッセ
赤いとんがり帽子をかぶり、ひげを生やした老人の姿の小さな妖精「ユーレニッセ」。
もともとは農家に住み着く妖精で、家を守ったり家畜の世話をしたり、
暮らしている家族に幸運をもたらすといいます。
クリスマスにミルク粥をお供えすると次の一年間、家を守ってくれるのだとか。
これを忘れてしまうと、手ひどい仕返しをされてしまうそうです。
たくさんの個体数がいる妖精で、フィンランドのトントゥと似たような存在なのかもしれません。
この時期のお菓子などの商品パッケージはユーレニッセだらけです。
イギリス ファーザー・クリスマス
ファーザー・クリスマス(クリスマスおじさん)と呼ばれる緑色のサンタクロース。
キリスト教以前の古代の真冬の祭りを擬人化したもので、古くは15世紀ごろから愛されていたようです。
春の到来を象徴するような緑色のフード付きのマントをまとい、
ヒイラギやツタ、ヤドリギの花輪をつけて寒く辛い冬の時期を陽気に歌って過ごします。
近年ではアメリカのサンタクロースのイメージと統合されてしまいましたが、名前はしっかりと残っているようです。
アイスランド ユールラッズ
ユールラッズはアイスランドのクリスマスに登場する妖精で、なんと13人兄弟。
12月12日から、毎日一人ずつ山から降りてきて、民家に現れて様々ないたずらを仕掛けます。
もともとは醜いトロールの姿で容赦なく悪さをしていたようですが、
近年は悪さをする代わりに窓際に置いた靴の中にプレゼントを置いていってくれる様になりました。
もちろん、悪い子の靴に入れるのは贈り物ではなく、腐ったじゃがいもです。
ユールラッズの母親である山姥のグリーラは今でも大変恐れられている存在で、
悪い子を大きな袋に入れて集め、シチューにして食べてしまうそうです!
オーストリアなど クリストキント
オーストリアやドイツ南部、スイス、ハンガリー、チェコ、スロバキアなどに伝わるクリスマスの天使。
名前は「幼いキリスト」という意味ですが、
金と白の衣装を身にまとった羽の生えた女性のような姿で描かれます。
カトリックが広まったこの地域では、聖ニコラウスではなく幼子キリストが子供たちに贈り物を配る役割となりました。子どもたちは欲しいものをありったけ書いた手紙を窓辺に並べてクリストキントがやってくるのを待ちます。
クリストキントの姿は見えませんが、近づいてくるとかすかにベルの音がするそうですよ。
オーストラリア 波乗りサンタ
クリスマスの時期はオーストラリアは真夏。
姿はアメリカンなサンタクロースだけど、トナカイのソリではなくサーフィンに乗ってやってきます。
18世紀頃からヨーロッパ人の移住が始まったオーストラリアはクリスマスの歴史も浅め。
半ズボンでリゾートを楽しんだり、動物たちと戯れたり、アクティブで若さあふれる(?)サンタクロースです。
サンタを追跡しよう!
毎年クリスマスにアメリカの北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)が行っているもので、
サンタクロースが世界中を飛び回ってプレゼントを届ける様子を追跡しています。
24時間かけて夜のエリアを飛び続け、全世界を1周するのだとか。
「それでもサンタがいるのか信じられない!」なんて疑り深い人は、世界中のサンタクロースたちに会いに直接行ってみるのもいいですね。
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