お休みが長かった2025年の年始、
お正月気分もようやく抜けてきたころでしょうか?
日本では、1月1日の元旦から「松の内」と呼ばれる期間までがお正月とされていますが、
世界にはお正月が1月1日ではないところがたくさんあります。
ご存知、2月頃にやってくる旧正月の他に、
4月や10月にお正月を迎える国もあるんですよ!
一体いつ、どんなお正月を迎えるのでしょうか?
詳しく見てみましょう!
もくじ
旧正月とは

旧正月とは旧暦の1月1日のことで、中国をはじめ、台湾、韓国、ベトナム、マレーシアなど、アジア圏の国々で今も祝われています。
旧暦は現在使っている新暦(グレゴリオ暦)と日付や月の数え方が違うため、旧正月の日にちは毎年大きく異なります。
大まかな目安としては1月下旬~2月上旬、日本のお正月ムードが落ち着いて来た頃です。
2025年は1月29日(水)が旧正月のため、前後の3日~1週間程度が大型連休となる国が多いようです。
中国……春節(しゅんせつ)
今年の春節:2025年1月29日(水)

旧正月といえば真っ先に思い浮かぶ、中国の春節!
春節は中国の伝統的な祝日で、日本のお正月と同じように家族で集まって伝統料理を食べたり、年長者がお年玉を配ったりする風習もあります。
春節前夜から1週間程度が大型連休となるため、この時期を故郷で過ごそうと毎年20~30億人(!)が大移動を行う世界を巻き込んだ一大イベントとなります。
中国のまちなかは、お祝いムードを盛り上げる赤色と金に染まります!
赤は邪気を払い、身を守る色、金は冨貴を呼び込む貴い色です。
道路や建物は灯籠や提灯で派手に飾り付けられ、花火や爆竹で賑やかにお祝いします。
連休を利用して日本へ旅行にやって来る中国人観光客もたくさんいるため、
「春節の爆買い」はニュースでよく取り上げられています。
台湾……春節(しゅんせつ)
今年の春節:2025年1月29日(水)

台湾でも、旧正月は春節と言います。
大晦日にあたる春節前夜は家族で過ごす日で、
年菜と呼ばれるおせち料理や、お鍋をつつきながら家族で賑やかに過ごす家族だんらんの行事です。
大晦日に渡すお年玉は、おめでたい色である赤いポチ袋に入れて渡すため「紅包(ホンバオ)」と呼ばれており、「育ててくれてありがとう」の意味を込めて、就職した子どもから親に渡すこともあります。
家の繁栄を願う赤と金の豪華な正月飾りも街中でたくさん売られており、
ランタンフェスティバルや歳末市などで活気に満ち溢れています。
韓国……ソルラル(旧正月:설날)
今年のソルラル:2025年1月29日(水)

新暦のお正月である新正(シンジョン)に対して、旧正(クジョン)と呼ばれることもあります。
通常は旧正月と前後2日を合わせて3日間ほどが連休となりますが、
今年は韓国政府が1月27日を臨時休日に指定しましたため、うまく有給を取ると最大9連休になるとのこと。
ソルラルは家族や親戚が揃って新年を迎え、先祖を供養して家族の絆を深める行事です。
当日の朝は身を清めてから正装に着替え、お供え用に茶礼床(チャレサン)という特別な膳を用意し、神や祖先を祀る茶礼(チャレ)と呼ばれる法事を行います。
その後は揃ってお墓参りへ。
家族で食べる韓国風お雑煮の「トックク」は、長寿の願いを込めた細長いお餅(トック)が使われます。
気持ちを新たにするという意味を込め、新しい服や靴、靴下に身を包む人も多いそうですよ。
ベトナム……テト(Tết)
今年のテト:2025年1月29日(水)

テトはTết Nguyên Đán(テッグエンダン、「節元旦」)の略。
基本的には中国の春節と同じ日付になるのですが、ベトナム独自のカレンダーで計算するためズレることもあり、毎年、前年の10月頃に政府から発表されるとのこと。
テトは他の国と同様、家族と一緒に過ごして伝統料理を食べる一家団欒の日。
ベトナム風のちまき「バインチュン」やもち米粉を丸めて蒸した「バインザイ」、
茹でた丸鶏やチャーシュー、紅白なますなどの料理がテーブルいっぱいに並びます。
テトの期間中はまちなかには金と赤色の装飾で彩られ、
通りでは繁栄や富を願う獅子舞「ムアラン」や龍舞が披露されています。
玄関には桃や梅、金柑など、魔除けや金運アップの縁起の良い花や植物が飾られます。
南北に長いベトナムは飾られる花も地域によって違いがあるのだとか。
お年玉文化もありますが、渡す対象は子供だけではありません。
仕事を引退した年長者や未婚者、知り合いの子ども、上司から部下、会社の警備員や清掃スタッフへなど様々。
また、祝日が少ないベトナムではまとまった休みが手に入る貴重なチャンス。
近年では遠方へ旅行に出かける人も増えてきました。
マレーシア
多民族国家のマレーシアは国民全体の25%ほどが中華系のため、もちろん春節を祝います。
ところが、マレー系やインド系の住民も多いため、1年に4回の正月があり、公休日に制定されているそう!

◯新暦のお正月
まずは一年のはじめの1月1日。
カウントダウンや花火で盛大に新年を祝います。
◯チャイニーズニューイヤー
今年の春節:2025年1月29日(水)
中華系の住民が祝う旧正月の春節。
特にチャイナタウンでは赤と金で華やかに飾り付けられ、福を呼ぶ獅子舞が通りを練り歩きます。もちろん爆竹も鳴らしますよ!
◯ハリラヤ
今年のハリラヤ:2025年3月31日(月)~4月1日(火)
マレー系住民はほぼイスラム教徒のため、1ヶ月もの間日の出から日没まで断食をするラマダンを行います。
そのラマダンが開けたことをお祝いするのがハリラヤです。
マレー系住民は65%ほどを占めるため、最も大切な休日期間となります。
◯ディパバリ
今年のディパバリ:2025年10月20日(月)
最後はインド系の住民のお正月、「光の祭り」と呼ばれるヒンドゥー教のディパバリです。
豊穣の女神ラクシュミを称えるお祭りで、キャンドルやイルミネーションを灯します。
色付けされた米で描くコーラムと呼ばれるライスアートも欠かせません。
それぞれのお正月に他民族の友達を招くこともあるそう。
お互いの違いを尊重する素敵な国ですね。
タイ……ソンクラーン(สงกรานต์)
今年のソンクラーン:2025年4月13日(日)~15日(火)

タイのお正月は、4月に行われるソンクラーンと呼ばれるお祭り。
太陽が1年の周期を終えて、新たに白羊宮(おひつじ座)の時期に入ることを祝う日で、
近年は毎年4月13日~15日に固定されています。※
別名「水かけまつり」とも呼ばれています。
水をかける行為には「敬意を払う」という意味があり、
本来は尊敬の念を込めて仏像や仏塔、両親や祖父母の手に水をかけて清める伝統的な行事です。
これまでに積んできた功徳を先祖に捧げ、年長者が年少者に対して幸福を祈ります。
3月から5月は暑季にあたるため、一年で一番気温が高くなる時期です。
暑気払いの意味もありお互いに水を掛け合っていたものが次第に盛大になっていき、
近年では観光の目玉としても注目されています。
もちろん、濡れたくない観光客も通りを歩けば容赦なく大量の水をかけられてしまいます。
防水対策をしっかりとしておかないと大変なことになりそうです。
中華系の住民もいるため、新暦の正月、旧正月(春節)、ソンクラーンと、1年で3回正月を祝うそうです。
ミャンマー……ティンジャン(သင်္ကြန်)
今年のティンジャン:2025年4月13日(日)~16日(水)

タイのお隣ミャンマーでも水をかけ合うお祭りが開催されます。
ミャンマーの元日は4月17日、その4~5日前の期間が年末となります。
もともとは仏像を洗い清める行事だったものが、旧年の不幸や汚れを新年に持ち越さないよう一年の罪を洗い流すためのお祭りとなりました
手で水をすくって優しくかけることもありますが、
バケツの水をひっくり返したり、高圧ホースで水を浴びせたりと街中が
ただし、僧侶や高齢者、妊婦、郵便配達人などには水をかけることは禁止されています。
元旦になると若者たちは高齢者の爪を切ったりお寺の掃除に向かいます。
この期間だけ頭を丸めてお坊さんになるという方も。
お正月は功徳を積むための期間
お布施をしたり
男の子たちが見習い僧となります
親にとって誇らしく喜ばしい瞬間です。その後、男の子たちは1週間程度、仏教へ奉仕し、仏教の戒律に沿って生活します。
まちなかは黄色いパダウの花で溢れ、
通行人にティンジャン料理やお酒等を振る舞います
現世での功徳を積む意味も込めて、
インド……ディーワーリー( दीवाली)
今年のディーワーリー:2025年10月20日(月)

ディーワーリーはインドのお正月で、
美と富と幸運を司るヒンドゥー教の女神ラクシュミを祀る日です。
インド暦の第七番目の月の初めの日から5日間、一年の幸福を祈り。
ヒンドゥー教徒だけでなく、シーク教徒、ジャイナ教徒、仏教徒も一緒になってお祝いします。
「光の祭典」とも呼ばれ、ディヤと呼ばれるオイルランプやイルミネーションでまちなかは光で溢れます。
……なにか聞いたことがある説明ですって?
そう、これはミャンマーのディパバリと同じお祭り。
ヒンドゥー語では「Diwali(ディワリ)」、サンスクリット語では「Deepavali(ディパバリ)」と呼ばれるためです。
ディワリの初日は家中を掃除し、新しい服や食器、金銀などの宝飾品を買うのが縁起が良いとされています。
お祭りは5日間続き、様々な行事を行います。
また、インドは広大な国土のため、食べられる料理も様々。
家族で作る甘いお菓子は欠かせないようです。
お正月期間の注意点
各地で大盛り上がりになるお正月ですが、観光に行く際には注意が必要です。
- ◯人気のシーズンのため物価が上がる
- ◯公共施設や公共交通機関が休みになる
- ◯スリなどの犯罪が増える
- ◯人の往来が増え、トラブルも増加
不意に水をかけられて風邪を引いてしまうかもしれません。
海外旅行保険に入って万全の体制で望みましょう!