
冬の訪れとともに、街が少しずつキラキラと輝きはじめる季節。
最近では日本でもすっかりおなじみになった「クリスマスマーケット」、その光景を見るだけで心が弾みますよね♪
一見、クリスマス関連グッズの露店が並ぶだけのイベントと思いきや——
実は何百年もの歴史を持つ、ヨーロッパ発祥の伝統的なお祭りなんです。
今回は、そんなクリスマスマーケットの魅力を、少しのぞいてみましょう。
もくじ
クリスマスマーケットとは
クリスマスマーケットとは、その名の通りクリスマスの時期に開かれるマーケット(市場)のこと。
ドイツやオーストリアなどのドイツ語圏をはじめ、ヨーロッパ各地で開催される伝統的な催しです。

開催時期は、クリスマスまでの約4週間――アドベント(降臨節・待降節)と呼ばれる期間です。
11月の終わりごろからスタートし、クリスマス本番まで続きます。
広場の真ん中には、夜空に映える巨大なクリスマスツリー。
そのまわりをぐるりと囲むように、ホットワインやホットチョコレート、焼き菓子や木製オーナメントなど、心あたたまる屋台がずらりと並びます。
イルミネーションが街を包み込むなか、訪れる人々は手にしたカップから立ちのぼる湯気とともに、
冬の幸せを分かち合う――
そんな情景が広がるのが、クリスマスマーケットです。
どんなものが売られているの?
クリスマスに関連する露店があるのはわかるけど……
本場・ドイツのクリスマスマーケットには一体どんなお店があるのでしょうか?
出発前にちょっと予習してみましょう!
クリスマスの焼き菓子

まず目に入るのは、シュトレンやレープクーヘンなど、この季節ならではの伝統的な焼き菓子たち。
街によって名物が異なるのも楽しいポイントです。
日持ちするお菓子が多いのでお土産やプレゼントにも大人気です。
ホットチョコレート

クリスマスの時期は平均気温は0~5℃ほど。
この厳しい寒さを凌ぐために欠かせないのが、温かい飲み物であるホットチョコレートです。
その名の通りチョコレートと牛乳で作る飲み物で、
ココアに比べてとろみがあり、リッチな口当たり。
ほんのりスパイスが利かせてあったり、クリームやマシュマロで可愛くデコレーションされていることもあります。
グリューワイン(ホットワイン)

こちらも寒い冬に欠かせない飲み物・グリューワイン!
ワインにシナモンやクローブ、オレンジなどのスパイス・フルーツを加えて温めたホットワインのことです。
年ごとに作られるオリジナルのマグカップで提供されており、
お店によってはお土産として持ち帰れるところもあります。
このマグカップを目当てに各地のマーケットを渡り歩く猛者もいるとかいないとか?!
ソーセージ

“ソーセージ大国”と呼ばれるほど、ドイツの人々はソーセージが大好き。
クリスマスマーケットでも、ソーセージの屋台は一つや二つでは収まらず、広場のあちこちから香ばしい焼き音とスパイスの香りが漂ってきます。
人気の食べ方は、シンプルにパンに挟んだだけの王道のホットドッグ。
その種類も実にバリエーション豊か!
日本ではなかなか見かけないほど長〜いソーセージ、粒コショウが効いたもの、歯ごたえしっかりの粗挽きタイプなど、素材も食感も個性たっぷりの“焼きたてソーセージ”が勢ぞろい。
寒い冬の空気の中で頬張る熱々の一本は、クリスマスマーケットならではの至福の味です!
クリスマス人形

日本ではもちろんプレゼントを持ってくるのは「サンタクロース」ですが、国によってクリスマスをイメージするキャラクターは様々です。
ドイツでは、クリストキント、聖ニコラウス、くるみ割り人形などがおなじみ。
伝統工芸品の木彫りのものや、陶器でできたものなど素材も様々です。
オーナメント

クリスマスツリーに飾るオーナメントもたくさん売られています。
少し値の張るものを毎年ひとつづつ買い足していくのも楽しみのひとつです。
ろうそく・キャンドルホルダー

ドイツのクリスマスに欠かせないアイテムの一つがキャンドル(ろうそく)。
この時期になると様々なデザインのをろうそくやキャンドルホルダーが登場します。
陶器でできた家型のキャンドルホルダーや、明かりをつけると美しい影が浮かび上がるものも。
ろうそくの熱でくるくると回りだす飾りのついた「クリスマスピラミッド」も人気です。
アドベントカレンダー

アドベントカレンダーとは、クリスマス(キリストの降誕)までの日数をカウントダウンしていくカレンダーです。
日にちが書かれた小窓があり、それを開けるとそこにはチョコやキャンディなどのお菓子や小さなおもちゃが!クリスマスまで、毎日の小さな楽しみを味わえますよ!
世界三大クリスマスマーケット
ヨーロッパ各地の冬を彩るクリスマスマーケット。
そのなかでも“世界三大クリスマスマーケット”と称されるのが、本場ドイツの3つの都市です。
いずれも長い歴史を持ち、都市をあげて行われる大規模なイベントで、
これを目当てに世界中から観光客がやってきます。
それぞれ一体どういった特徴があるのでしょうか?見てみましょう!
[地図]
【世界一有名な】ニュルンベルク「クリストキンドレスマルクト」
開催時期:2025年11月28日〜12月24日
開催時間:10:00〜21:00(初日は17:30〜、最終日は14:00まで)
開催場所:旧市街・中央広場(ハウプトマルクト)

世界で最も有名なクリスマスマーケット――
そう呼ばれるのが、毎年およそ200万人が訪れるドイツ南部・ニュルンベルクのクリストキンドレスマルクトです。その歴史は17世紀まで遡り、伝統を守るため出店には今も厳しい審査があるのだとか。
中世の面影を残す城壁に囲まれた旧市街は、“木と布でできた小さな街”と呼ばれます。
街の中心には大きなクリスマスツリーがきらめくフラウエン教会があり、その周りにはたくさんの屋台がずらり。ライトアップされた夜の景色は、まさにおもちゃ箱をひっくり返したような温かい賑わいです。
開幕を告げるのは、金色の巻き髪をもつ天使「クリストキント(幼子キリスト)」。
南ドイツでは、サンタクロースの代わりにこの“クリストキント”がプレゼントを届けるとされ、2年に1度選ばれる10代後半の少女がその役を務めます。
そして何と言ってもニュルンベルクで忘れてはいけない名物が「レープクーヘン」。
スパイスが香るしっとりした焼き菓子です。専門店も街中にたくさんありますよ♪
【世界最古の】ドレスデン「シュトリーツェルマルクト」
開催時期:2025年11月26日〜12月24日
開催時間:10:00〜21:00(最終日は14:00まで)
開催場所:旧市街・アルトマルクト広場周辺

ドイツ東部・エルベ川のほとりにある街、ドレスデンで開催されるシュトリーツェルマルクトは、1434年から続く世界最古のクリスマスマーケットとして知られています。
かつてザクセン王国の都として栄えたこの街は、今も芸術と音楽の香り漂う文化都市です。その歴史と伝統を一目見ようと、毎年世界中から約300万人が訪れるという人気ぶり。
歴史的な石造りの建物に囲まれた旧市街の広場には、無数の屋台とイルミネーションが並び、日が暮れるとまるで“光に包まれたおとぎの国”のような光景が広がります。
会場のシンボルは、高さ14メートルを超える巨大なクリスマスピラミッド。
回転する木製の人形とやさしい灯りが、訪れる人々を幻想的な世界へと誘います。
そしてドレスデンの名物といえば、あの有名なシュトレン。
クリスマスの定番菓子として近年日本でも人気ですが、ここドレスデンでは毎年、巨大なシュトレンを担いだ職人たちが旧市街を練り歩く「シュトレンフェスト(シュトレン祭)」が開催されます。
祭りのクライマックスでは、巨大なシュトレンが切り分けられ、
その場で訪れた人々に販売されるという、なんとも夢のあるフィナーレ!
まさに“歴史と甘い香りに包まれるクリスマスマーケット”です。
【世界最大の】シュトゥットガルト「シュトゥットガルター・ヴァイナハツマルクト」
開催時期:2025年11月26日〜12月23日
開催時間:日〜木曜/11:00〜21:00 金・土曜/11:00〜22:00(初日は17:00〜)
開催場所:シュトゥットガルト市内中心部(シュロス広場、シラー広場、カールス広場、マルクト広場)

ドイツ南西部の都市・シュトゥットガルトで開催されるシュトゥットガルター・ヴァイナハツマルクトは、世界最大級のクリスマスマーケットとして知られ、毎年およそ350万人が訪れる一大イベントです。その起源は17世紀にまで遡る、歴史あるマーケットでもあります。
このマーケットの特徴はなんといっても、そのスケールの大きさ!
市内中心部の4つの広場——シュロス広場、シラー広場、カールス広場、マルクト広場——を中心に、街全体がまるでクリスマスのテーマパークのような雰囲気に包まれます。
広場ごとにテーマが異なるのも魅力のひとつ。
シュロス広場
屋台に加えて移動遊園地が登場!
ミニ鉄道やスケートリンク、観覧車など、子どもも大人も楽しめるアトラクションが盛りだくさん。
カールス広場
北欧・フィンランドをテーマにしたマーケット。
本場の雑貨やホットドリンクが並び、異国情緒あふれる雰囲気です。
シラー広場
歴史的建物に囲まれた落ち着いた空間。
職人の手仕事が光るクラフト雑貨やお土産探しにぴったりのエリアです。
マルクト広場
商業施設や市庁舎を背景に屋台が軒を連ね、グルメからショッピングまで幅広く楽しめます。
そして見逃せないのが、市庁舎が巨大なアドベントカレンダーに変身する演出!
窓一つひとつが日にちを刻み、クリスマスが近づくたびに街の期待が高まっていきます。
まるで街全体がひとつの“冬の祝祭”となるシュトゥットガルトのマーケット。
訪れれば、寒さも忘れて心まで温かくなること間違いなしです。
いよいよクリスマスマーケットの本格シーズンに突入!
この冬は、思い切って本場ドイツの“キラキラの冬”を体感しに出かけてみませんか?
12月のドイツは気温5℃以下としっかり寒いので、
旅立つ前にあったかいダウンを準備して、風邪対策も万全に。
そして安心して楽しむために、海外旅行保険の加入もお忘れなく。
心も体もぽかぽかにして、クリスマスマーケットの魔法を味わいにいきましょう!