連日各メディアで取り上げられているパリオリンピック。
柔道やスケートボードをはじめ、日本人選手も続々とメダルを獲得して盛り上がっています!
オリンピックの最終日の2日間、締めくくりとして開催される競技がフルマラソンです。
今回、特に注目されているのが、パリをはじめ9つの街を巡るそのコース。
フランス革命後の1789年、パリ市庁舎に集まった女性6~7,000人がヴェルサイユ宮殿に向かって行進した「ヴェルサイユ行進」から着想を得たもので、歴史的な建造物をたどりながら42.195キロメートルを走り抜けます。
背景となる美しい街並みとは裏腹に、高低差が156メートルもある起伏に富んだ難易度の高いコース設定となっており、オリンピック史上最も過酷で予測不可能なレースになるだろうと言われています。
選手たちは一体どのような名所を巡るのでしょうか?
競技がより楽しめるフルマラソン直前特集です!
フルマラソン日程
男子 8月10日(土) 午前8時スタート(パリ現地時間)
女子 8月11日(日) 午前8時スタート(パリ現地時間)
スタート時間は、日本時間の午後3時。
男女平等の精神を反映し、オリンピック史上初めて女子マラソンが閉幕日に開催されることになりました。
また男子マラソン終了後の9月10日(土)午後9時には、オリンピックと全く同じコースを走る市民マラソンも開催されることから大きな関心を集めています。
パリ市庁舎/0km地点
スタート地点はオテル・ド・ヴィル・ド・パリと呼ばれている「パリ市庁舎」。
パリの地方行政機関が入っている現役の市庁舎です。
600年以上の歴史を誇るパリの中でも特に壮麗なフランス・ルネサンス様式の建物で、フランスの歴史的人物の像136体が飾られています。
市庁舎前の正方形の広場には噴水もあり、展示会や文化的アトラクションも開催されるパリ市民の憩いの場となっています。
「ヴェルサイユ行進」の始まりの地でもある、ここパリ市庁舎からフルマラソンはスタートします。
ルーヴル美術館/4.5km地点
年間800万人以上が訪れる、世界最大の美術館「ルーブル美術館」。
12世紀にパリを守るために建てられた城塞が起源で、歴代の王たちが増改築を繰り返し、徐々に現在の形となっていきました。
フランス革命後の1793年、王室コレクションを一般市民に公開する場所として美術館となりました。
美術館にはレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」をはじめ、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」、「ミロのヴィーナス」など、一度は教科書で見たことあるような有名作品が展示されています。
コンドルド広場/6.0km地点
ルーヴル美術館と凱旋門の間に位置するパリ最大の広場「コンコルド広場」。
フランス革命を象徴する場所の一つで、
ルイ16世やマリー・アントワネットがギロチンにかけられた場所でもあります。
開放感のある広場の中央には「クレオパトラの針」と呼ばれるオベリスクがそびえ立っています。
その広さから、BMXフリースタイル、ブレイキン、スケートボード、バスケットボール3×3などの会場となりました。
グラン・パレ/6.7km地点
パリオリンピックのフェンシングの舞台ともなった「グラン・パレ」。
フランス語で「大きな宮殿」という意味です。
1900年のパリ万国博覧会のために建てられた美術館・展示施設で
ガラスと鉄骨の屋根で覆われた、当時最先端の建築物です。
現在は老朽化のため、かつてない大規模な修復工事が行われており、
本格的なリニューアルオープンは2025年春を予定しています。
フェンシングの試合の際、太陽光を防ぐためガラス屋根全面が布で覆われ、
日本の企業がこの施工を行いました。
■ラ・セーヌ・ミュージカル劇場/14.4km地点
2017年4月に開館した独創的な音楽複合施設「ラ・セーヌ・ミュージカル劇場」。
世界的に活躍する日本人建築家、坂茂氏が設計を手掛けました。
最大6000人が収容可能な多目的ホールやクラシック向けホール、レストランや屋外庭園などを併設しています。
セーヌ川に浮かぶ船のような形をしており、ひと際目を引くドーム型の建物の周りには太陽の動きに合わせて回転する巨大な太陽光パネルが張り巡らされています。
ここを過ぎると、たった6キロメートルの間に高低差156メートルを駆け上がる最初の難所が待ち構えています。
■ヴェルサイユ宮殿/23km地点
フルマラソンはいよいよ折り返し地点。
馬術と近代五種の会場ともなった「ヴェルサイユ宮殿」です。
17世紀、フランス王ルイ14世によって建てられた、フランスバロック建築の代表作。
ヴェルサイユ宮殿がフランス絶対王政の象徴的建造物であり、
フランス革命でルイ16世とマリー・アントワネットが捕らえられた場所でもあります。
宮廷生活の名残が垣間見れる豪奢な建物と、1,400もの噴水と無数の彫像、幾何学模様の花壇が美しい広大なフランス式庭園は見逃せません。
後半は過酷なアップダウンが続き、約900メートルの最も斜度が厳しい上り坂も待ち構えています。
■エッフェル塔/38.2km地点
パリはもちろん、フランスで最も有名なシンボルのひとつでもある「エッフェル塔」。
オリンピック開会式でもエッフェル塔から放たれるレーザービームが印象的でした。
1889年のフランス革命100周年を記念したパリ万国博覧会の際に建設されたもので、女性がスカートを履いているように見えることから、「鉄の貴婦人(La Dame de fer)」と称えられています。
目の前には緑豊かな芝生の広大なシャン・ド・マルス公園があります。
大会期間中に設営される「エッフェル塔スタジアム」は、ビーチバレーボールとブラインドサッカー(パラ)の舞台に。
ここを過ぎれば、ゴールはもうすぐそこです!
オテル・デ・ザンヴァリッド/42,195km地点
ゴール地点は廃兵院と訳される「オテル・デ・ザンヴァリッド」。
アンヴァリッドとも呼ばれます。
1670年代に傷病兵を看護するための大型の療養所として作られました。
フランスの英雄ナポレオンが眠る墓所としても知られています。
セーヌ川の対岸には、豪華なアレクサンドル3世橋を挟んでスタート地点のグラン・パレが見えます。
アーチェリー競技も開催された芝生が広がる広大な前庭には、たくさんの市民が詰めかけることでしょう。
歴史を辿れるマラソンコース
フランス革命に関連する場所をはじめ、歴史的な名所がたくさんあるパリ。
パリオリンピックのマラソンのコースを辿りながらパリを一周してみても面白そうです。
本格的に走るとなると、現地での怪我や筋肉痛も少し心配です。
もしもに備えて海外旅行保険に入っておきましょう!