連日、オーロラの話題で大盛りあがりですね!
普段はみられない場所でも世界中で観測されたようです。
日本各地でも、2024年5月11日夜から12日未明にかけて北海道をはじめ、オーロラが観測されました。通常のオーロラより低い緯度で見られるもので、特に「低緯度オーロラ」と呼ばれます。
残念ながら九州や四国では見られなかったようですが、通常はほとんど観測できない兵庫県や愛知県など、かなりの低緯度の地域でも見ることができたそうです。
なかなか直接見る機会の少ないオーロラですが、一体どのようなものでしょうか?
オーロラの仕組みについておさらいしてみましょう!
オーロラとは?
オーロラとは北極や南極などで見られる大気の発光現象です。
そう、光っているのは大気(=空気)なんです。
太陽をはじめとした光る星からは、電気を帯びた粒(=プラズマ)が常に飛び出しています。このプラズマが地球の大気に飛び込み、大気中の酸素や窒素とぶつかると光が発生します。
緑をはじめ、赤や紫やピンクなど様々な光がカーテンのように輝いている映像や写真を見たことがあるのではないでしょうか?
通常はどこの国で見られる?
オーロラ観測で有名な地域といえば、カナダの北部「イエローナイフ」「ホワイトホース」、アメリカ北部アラスカの「フェアバンクス」、ノルウェー北部「トロムソ」、スウェーデン最北端の「キルナ」などが挙げられます。
他にもフィンランドやグリーンランド、南極大陸など、高緯度地方で見られます。
地球には、磁石と同じようにN極から出てS極へ向かう「磁場」があります。
大きな磁石が宇宙に浮かんでいるのを想像してみましょう。
プラズマは電気を帯びているため、地球の磁場の影響を受けて、N極・S極にあたる方向へ流されて、そこの大気に突入します。
北極地方や南極地方はプラズマが飛び込みやすい磁場の穴が空いているような状態なのです。
なぜ日本でも観測できた?
今回、低緯度の日本でもオーロラが見られたのは、8日から太陽表面で起きる爆発現象「太陽フレア」が繰り返し発生しているためです。太陽から飛び出してくるプラズマの量が多くなると、地球の磁場を歪ませてしまうほどの「磁気嵐」が発生します。この磁気嵐が激しく起きたときは、日本のような低緯度でもオーロラやSARアークといった現象が見られます。
日本で見られるオーロラはそのほとんどが赤い色をしており、古くは「赤気(せっき)」と呼ばれています。日本書紀の推古天皇の時代(西暦600年ごろ)から京都や江戸などで北の空が赤く光る現象が報告されており、近年も山火事と間違えられて消防車が出動したりしています。
非常に珍しい現象ですが、とても昔から観測されていたんですね。
低緯度オーロラはなぜ赤い?
実はオーロラは、高度によっても色が変わります。
プラズマの持っているエネルギー量や大気中の酸素や窒素などの量により、高度400〜200kmでは赤く、高度200〜100kmでは緑色に、高度100~80kmでは紫やピンクに光ります。
今回観測されたオーロラも日本の真上で光ってるわけではないので、低い位置にある緑色の光は地平線に隠れて見えず、高い位置の赤い光だけ見ることが出来たというわけです。
それでも通常の低緯度オーロラは北海道で見えるかどうか、というところ。
日本各地で観測できた今回は、滅多にないチャンスでした!
通信障害にご注意
珍しい現象が見られた磁気嵐ですが、嬉しいことばかりではないようです。
地球の磁場が乱れてしまうため、電磁波を利用しているGPSや無線、携帯電話などの通信障害が発生する場合があります。
太陽の活動が落ち着けば次第に磁気嵐は落ち着きますので、パニックにならないように注意しましょう。
今度日本で見られるのはいつ?
太陽は11年周期で活発度が上下しています。
次回、日本国内で太陽光フレアが要因の低緯度オーロラが見れるのは2034~35年ごろでしょうか?
北海道など比較的高緯度の地域に行くと見える確率が上がりそうです。
10年も待てない!カーテンのようなオーロラが見たい!
という方は、思い切って日本を飛び出してみましょう!
特に世界屈指のオーロラ遭遇率を誇るカナダのイエローナイフは、夏季の8月中旬~9月と冬季11月中旬~4月がオーロラのベストシーズン。3日間の滞在で遭遇率95%を誇り、世界中から多くのオーロラハンター達が集まることで知られています。
今から計画を立てると余裕を持ってオーロラ観測を楽しめるかもしれませんよ。
海外旅行の際は、ぜひ海外旅行保険もお忘れなく!